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商標関連情報

審決

「LINE」(無料通信アプリ) 通信線との関連上識別力弱い 対「BLInE」

種     別   無効の審決
審 判 番 号   無効2017-890037
確 定 日  平成29年12月25日
主な関連規程 商標法第第1項第8号、同項第11号、同項第15号

本件商標

JPJ3429890037_000001

指定商品・役務
第 9類 「通信機能を有する携帯電話用のプログラム」
第38類 「オンラインによる利用者間のメッセージの交換のためのチャットルーム形式及び電子掲示板による通信」

引用商標1,2

JPJ3429890037_000002

指定商品・役務 第9、35、36類に属する商品及び役務

引用商標3,5

JPJ3429890037_000003

 

指定商品・役務 第9、38類に属する商品及び役務

引用商標4
ライン

(標準文字)
指定商品・役務 第9、38,42,45類に属する商品および役務

引用商標5

LINE

(標準文字)
指定商品・役務 第9,16,28,35,36,38,41,42類に属する商品及び役務

結  論
本件審判の請求は、成り立たない。

理  由(要旨)
1 引用商標の周知性について
(1)請求人及び被請求人提出の証拠・及び主張より認定
ア 請求人は、ハンゲームジャパン株式会社として、2000年(平成12年)9月に設立され、その後、2003年(平成15年)8月にNHK Japan株式会社に商号変更し、2013年(平成25年)4月1日にLINE株式会社に商号変更した。
イ 請求人は、2011年(平成23年)6月に無料通信アプリケーション「LINE」によるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の提供を開始した。
ウ 我が国における請求人アプリの月間利用者数は、2016年(平成28年)には、6,600万人であった。
(2)上記(1)の事実により、引用商標は、請求人の業務に係る役務(ソーシャル・ネットワーキング・サービスの提供)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標であって、現在まで継続している。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
請求人の主張について
請求人は、本件商標中の「B」の文字部分は、商品・役務を表す記号・符号として使用される欧文字一字の一類型であって、自他商品識別標識としての機能を有しないか、極めて弱い。「LINE」の文字は、請求人の業務に係る商品・役務を表示するものとして高い著名性を有しており、この文字部分が商品・役務の出所識別標識として支配的な印象を与えるから、これより「ライン」の称呼及び「請求人の著名商標である『LINE』」の観念が生じる旨主張している。
しかしながら、本願商標中の「B」の文字は、黒色のふきだしの中に「B」の文字が白抜きで表された図形として認識されるものと判断するのが相当である。そして、本件商標中の「LInE」の文字は、3文字目の「n」が小文字で表され、他の文字が大文字で表されているものの、一見して「LINE」の文字を普通に用いられる方法の範囲内で表したものと理解し得る。さらに、本件商標の指定商品および役務は、いずれも通信に係るものであって、「線、通信線」などの意味を有する英語「LINE」との関連性が強いから、本件商標中の「LInE]の文字は、自他商品識別標識としての機能が強いものとはいえない。
そうすると、本件商標に接する需要者は、その構成中の「LInE」の文字を請求人の商標として理解、認識することなく、英語の「LINE」を書したものと理解、認識する。
してみると、本願商標は、「ライン」の称呼及び請求人の著名商標である『LINE』の観念が生じるということはできない。したがって、請求人の主張は、採用できない。
(2)引用商標
いずれもその構成文字に相応して「ライン」の称呼を生じる。そして、需要者の間に広く認識されているから、「(請求人の業務に係る役務(ソーシャル・ネットワーキング・サービスの提供)を表示するものとしての)LINE」の観念を生じる。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない別異の商標というべきものである。そうすると、その商品および役務の出所について混同を生じるおそれはない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第8号該当性について
「LINE」の文字は、本件商標の登録出願時に請求人の著名な略称として需要者の間に広く認識されているとは認められないものであり、また、上記2(1)のとおり、本件商標の構成中の「LInE」の文字はわが国で一般に慣れ親しまれた英語「LINE」として理解、認識される。
そうすると、本件商標は、他人(請求人)の著名な略称を含む商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。

平成30年2月23日発行「審決」より 2018.5.7 ANDO

 

 

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