藤田隆特許事務所 商標部門は相談無料。初歩的なことから実務的なことまでご相談を受付中です。
商標プロフェッサーの何でも相談室
- Q1商標登録すれば、どのような利益がありますか。
- A1商標登録すれば、同一・類似の範囲で、他人の使用を排除する効力を有する商標権が発生します。 もし、類似の商標を表示した物(偽物)が販売されたり、類似の商標を使用したサービス業者が現れたときに、これを取り締まるためには、商標登録していなければ、不正競争防止法に基づいて救済を求めることになります。その際には、混同を生じたことを証明することが必要ですが、それには非常に多くの手数と多額の費用がかかるのが一般的です。商標登録しておけば、商標権の排他的効力によって、容易に偽物などを取り締まることができます。
- Q2登録を受けることができる商標とは、どのようなものですか。
- A2商標とは、自己が製造・販売する商品又は自己が顧客に提供する役務(サービス)について、他人のものと識別するために表示する標識です。最近では、旋律(音)、動き、特定の色彩自体、商品の特異な位置に表示した色彩等(新しいタイプの商標)についても、登録対象が広がってきました。したがって、営業活動のテーマの旋律、宣伝広告で現される動物や物品の動き、ありふれた印であっても商品の特異な場所に表示された場合等は、これまで登録できませんでしたが、今後登録できることとなります。商品や役務についての宣伝広告上の表現にも商標登録の対象が増加してきたものといえます。
- Q3商標の類似とは、どのような状態をいうのでしょうか。
- A3商標の類似とは、2つの商標が取引上混同を生ずるおそれがある場合をいいます。その判断は、その商標を使用する商品又は役務の取引者・需要者が、商標の外観、称呼(呼び名)、商標から受ける観念(意味合い)の面を総合して行います。その判断には微妙なところがあり、審査官の認定と審判官に認定とが異なる場合があります。 開発した商品に商標を採用するに当たっては、他人の登録商標と類似しないことを特許庁の判断の事例を参考にして、慎重に検討することが必要となります。
- Q4登録までには、出願からどのくらいの期間がかかりますか?
- A4最近では、順調にいった場合は5・6ヶ月程度で登録になります。ただし、出願人が既に登録出願している商標を他人が使用している等、出願中の商標の権利化について緊急性を要する場合には、早期に審査をすることができます。
- Q5商標出願するタイミングは、いつぐらいが良いのでしょうか。
- A5商標出願をいつまでにしなければならない、という決まりはありませんが、商標法は、先願主義(先に出願した者に権利を与える建前。)なので出願が遅くなってしまうと、先に他人に商標登録されてしまうことが考えられます。 企業では、商品企画を提案する段階で、商標の登録及び使用の可否についての調査を済ませておき、商品企画が承認された時に、速やかに出願するのが良いと思われます。
- Q6指定商品や指定役務とは何ですか。
- A6商標出願するに当たっては、出願人が、商標を使用する商品又は役務(サービス)を願書に記載することが規定されています。ここで記載された商品又は役務を「指定商品」又は「指定役務」といいます。 取引の対象とされる商品や役務は多岐にわたるところから、商品については34の区分に、役務(サービス)については11の区分に分けられており、この区分に則して商品又は役務を記載することになります。多種類の商品に同一の商標を使用する場合には、2つ以上の区分にわたって記載することができます。区分が増えると費用も増加します。
- Q7登録したい商標に、図形と文字が含まれる場合、セットで出願した方が良いでしょうか。それとも、図形と文字と別々で出願した方が良いのでしょうか。
- A7図形と文字をそれぞれ商標として採用した場合、これらを別々に出願するか、それとも結合して1つの商標として出願するかは、迷うところです。結合して出願した場合には、当該結合した態様で商標を使用する必要があります。費用に余裕があれば、図形と文字を別々に出願しておく方がより良いといえます。なぜなら、個々の商標の使用であっても、組み合わせた商標の使用であっても、どちらも登録商標の使用になるからです。
- Q8商標権の存続期間は、どのようにして決まりますか。
- A8商標法では、商標権の存続期間は、5年又は10年に定められています。使用する予定の商品又は役務のライフサイクルや宣伝広告の展開や営業企画等を考慮して、5年又は10年分のいずれかの登録料を納付して商標権の存続期間が決まります。ただし、この期間は、更新することによって永続的に商標権を維持することができます。
- Q9商品の包装や広告に表示している商標の形状が、登録した商標の形状と違ってくることがあります。その場合、どのように取り扱われますか。
- A9商標法は、登録商標と同一の商標を使用することを建前としており、類似する商標を使用していても、不使用として審判で登録が取り消される場合があります。しかし、現実には、書体の変更等で商標を変形して使用する場合が多いところから、社会通念上登録商標と同一とみなされる限りでは、登録が取り消されることはないこととしています。しかし、その範囲は、書体のみを変更した場合や片仮名文字をローマ字に変更した場合のように限定されていますので、営業政策上商標の形態を手直しして使用する場合は、注意が必要です。
- Q10商標出願した後に住所変更があった場合は?
- A10特許庁へ住所変更手続きを執る必要があります。 出願中については「住所(居所)変更届」、登録後では、「登録名義人の表示変更登録申請書」を提出致します。