商標関連情報
「ハラール」 イスラム法により「合法的なもの」を意味する
事件の表示 無効2015-890055
確 定 日 平成29年(2017)2月6日
主な関連規程 商標法第4条第1項第16号
事案の概要
「ハラール」なる商標が、「石鹸類,薫料,化粧品」等について商標登録された。これに対し、て、本件商標は、「イスラム法に則って『合法的なもの』『許されるもの』を意味し、イスラム教の戒律に従わずに製造又は処理された「石鹸類、化粧品、化粧品」等に本件商標を付した場合には、商品の品質について誤認を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するから、登録を無効をすべきである旨主張して、無効審判を請求した。
本件商標
ハラール(ゴシック体)
指定商品
第3類 「石鹸類,薫料,化粧品,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き」
結 論
第3類 「イルラム法により合法的なものとして許されたものでない石鹸類,同薫料,同化粧品,同かつら装着用接着剤,同つけづめ,同つけまつ毛,同つけまつ毛用接着剤,同歯磨き」についての登録を無効とする。
理由(要旨)
「ハラール」の文字は、イスラム法により「合法的なもの」、「許されたもの」を意味する「HALAL」や「Halal」の文字を片仮名で表示したものであり、同じ意味を表すものといえる。化粧品や石鹸類、さらには、医薬品を始めとした種々の商品やサービスの分野において、イスラム法で合法的のものとして許されたものであるとの「ハラール」の認証を所定機関によって受ける動きが活発になっていた状況にあることを踏まえると、取引者、需要者によって、その商品がイスラム法により合法的なものとして許されたものであることを表すものとして理解、認識される。
商標法においては、商標を付した商品を国内で販売等するばかりでなく、それら商品を輸出することも、商標の「使用」に当たるとされていることを踏まえると、本件商標は、その指定商品中、イスラム法により合法的なものとして許されたものでない商品に使用されたときには、あたかも、その商品が、イスラム法により合法的なものとして許されたものであるかのごとく、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、指定商品中「イルラム法により合法的なものとして許されたものでない石鹸類,同薫料,同化粧品,同かつら装着用接着剤,同つけづめ,同つけまつ毛,同つけまつ毛用接着剤,同歯磨き」については、商標法第4条第1項第16号に該当する。
なお、本審判においては、本件商標は、先願の登録商標「HAREL/ハレール」と類似する旨の主張もされたが、類似しないものと認定されている。
2017.3.31発行「審決」より 2017.5.15 ANDO