企業の営業企画とともに歩む。

商標関連情報

審決

「LINEAR EXPRESS」 新幹線と集積回路の小売り役務は、混同しない 

審 判 番 号  不服2016-1071
確 定 日  平成29年(2017)3月21日

主な関連規程 商標法第4条第1項第15号

事案の概要
「LINEAR EXPRESS」が「オンラインによる工業用集積回路及びその部品の小売り役務」について登録出願された。これに対して、審査では、つぎの理由で拒絶査定した。
(拒絶査定の理由の要旨)
本件商標は、『東海旅客鉄道株式会社』が2027年開業予定の『超電導リニアによる中央新幹線による輸送』に使用している著名な商標である『LINEAR EXPRESS」の文字を表してなるものであるから、これを指定役務(下記)に使用すると、前記会社と何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
これに対して、出願人が、この査定の取消しを求めて、審判を請求した。

本件商標

LINEAR EXPRESS(標準文字)

指定役務
第35類 オンラインによる工業用集積回路及びその部品の小売り役務

結  論
原査定を取り消す。本件商標は、登録すべきものとする。

理由の要旨
我が国の新幹線の整備事情等に鑑みれば、「LINEAR」の語が、東海旅客鉄道株式会社に係る超電導リニアモーターによる中央新幹線を表すものとして、看取、把握される場合があるといえる。
しかし、東海旅客鉄道株式会社が、業務に係る超電導リニアモーターカーによる中央新幹線を表すものとして「LINEAR EXPRESS」の語を使用している事実は見当たらない。
集積回路を取り扱う業界において、「LINEAR」の文字は、入力と出力の関係が直線的(リニア)になっていることを表すものとして、「linear integrated circuit」(リニア集積回路)等の複合語を形成する語として使用されている実情があり、加えて、「EXPRESS」の語も、「速達便」の意味を有する語として知られている。してみると、本件商標の指定役務を取扱う取引者、需要者の間においては、本件商標から、直ちに、東海旅客鉄道株式会社に係る超電導リニアモーターによる中央新幹線のみを想起するとはいえない。
また、本件商標の指定役務「オンラインによる工業用集積回路及びその部品の小売り役務」と、東海旅客鉄道株式会社の業務に係る「鉄道による輸送」等の役務とは、その提供の手段、目的又は場所、需要者及び業種等において関連性が見いだせない。
そうすると、本件商標「LINEAR EXPRESS」は、「東海旅客鉄道株式会社に係る超電導リニアモーターによる中央新幹線」を連想、想起する場合があるとしても、本件商標の指定役務との関係では、直ちにそれを連想、想起させるものとはいい難く、同社と何らかの関係を有する者の業務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

平成29.4.28発行「審決」より  2017.6.2 ANDO

 

 

 

 

、「

 

 

 

 

あらゆるタイプの「商標登録」についてお気軽にご相談ください。

先頭に戻る
先頭に戻る