商標関連情報
「Ω/OMEGA」(時計) ギリシャ文字・独創性高くない 知識の教授等の使用は可
種 別 異議の決定
異議申立番号 異議2017-900136
確 定 日 平成29年11月25日
主な関連規定 商標法第4条第1項第15号
本件商標
指定役務
第41類 環境建築学,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧 等
引用商標
指定商品
第14類 時計,時計の部品及び付属品
結 論
本件商標の商標登録を維持する。
理 由(要旨)
1 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)本件商標と引用商標の類似性
本件商標と引用商標は、「オメガ」の称呼及びギリシャ語の最終字母程の観念を生ずる。そうすると、両商標は、その外観が類似し、称呼及び観念を共通にするものであるから、類似の商標である。
(2)本件商標の指定役務と引用商標の指定商品について
ア 本件商標の指定役務
本件商標の指定役務は、「環境衛生学,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧」等であるところ、これら第41類に属する役務は、教育、訓練の提供、娯楽、スポーツ及び文化活動に関するものであって、主として、人又は動物の知能を開発するために人又は機関が提供するサービス及び人を楽しませ又は人の注意を引くことを意図したサ-ビスである。
イ 引用商標の指定商品
商標法施行規則別表第14類に属する商品としては、「腕時計」、「置き時計」、「懐中時計」等が掲載表示されており、ほとんどの時計が該当する。
ウ 本件商標の指定役務と引用商標の指定商品との比較
両者は、それぞれの業界を異にする役務と商品であって、なんら関連するところがない分野であることから、その需要者、取引者を全く異にする。
そうすると、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品との関連性は低いものである。
(3)引用商標の周知・著名性
引用商標は、申立人の業務に係る商品「時計」を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものである。
しかし、申立人提出の証拠からは、その周知性は、商品「時計」の分野を超えて、本件商標の指定役務の分野の需要者にまで、広く知られているとはいいがたい。
(4)小括
上記のとおり、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品との関連性は低い。
また、引用商標は、申立人の業務に係る商品「時計」を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものであるが、本件商標の指定役務の取引者、需要者の間においてまで、広く知られ著名となっていたということはできない。
加えて、「Ω」及び「OMEGA]の文字は、ギリシャ語の最終字母とその表音の欧文字表記として、我が国においても親しまれた文字であり、独創性が高いということはできない。
以上を総合勘案すると、たとえ本件商標と引用商標とが類似するとしても、本件商標をその指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者が、引用商標又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
平成30.1.26発行「審決」より 2018.3.26 ANDO