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商標関連情報

審決

大河ドラマ「花燃ゆ」と「花燃ゆ物語」(酒)は混同する

拒絶査定不服審判

関連規程 商標法第4条第1項第15号

事案の概要
日本酒等に使用する商標として「花燃ゆ物語」を登録出願したところ、特許庁は、この商標は、日本放送協会(NHK)が放映する大河ドラマ「花燃ゆ」のタイトルを引用して、NHKの商品であるかのように、混同を生ずるおそれがある旨の理由で拒絶査定した。
これに対して、出願人は、「物語」の語が存在することによって類似性は低いこと、本願の指定商品は酒類であるから、テレビの放映とは関連性が低いこと、これまで大河ドラマは題材となった人物の出身地や関連地域等において一般の事業者によって使用され、町おこしや特産品のアピールがなされていること等を根拠として、拒絶査定の取消しを求めて審判を請求した。

本件商標
花燃ゆ物語 (標準文字)

指定商品
第33類 日本酒 果実酒 薬味酒 焼酎 等

引用タイトル名
NHK放映の大河ドラマのタイトル 「花燃ゆ」

結  論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由の要旨
「花燃ゆ」は、NHKが2015年に放映している大河ドラマのタイトルとして使用されているものであり、その発表を2013年12月3日に行ってから、各種メディアに取り上げられ、そのタイトルが急速に日本全国に広まった。 大河ドラマ「花燃ゆ」は、2015年1月4日の放映開始されて以来、全50回の期間にわたって、高視聴率を獲得している。
「花燃ゆ」の文字は、大河ドラマのタイトルとしてのみならず、テレビ番組の関連グッズなど広範な商品等の分野でも著名性を有している。
本件商標「花燃ゆ物語」の中、「物語」の語は、一般に慣れ親しまれた語であるから、本件商標からは、NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」を想起させこととなり、NHKの取扱いに係る商品、あるいは、NHKとの契約の下、「花燃ゆ」の商品化の事業を行っている業者に係る商品であると誤信させるおそれがあるから、本件商標は、商品の出所の混同を生ずるおそれがある。
商標法第4条第1項第15号に該当する。
なお、本件商標は、大河ドラマの放映に合わせて地域活性化や町おこしなどを意図して採択されたというよりも、該著名な表示の持つ顧客吸引力にただ乗りする意図があったものと推定せざるを得ない。

平成28.6.24発行「審決」より  2016.7.11 ANDO

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