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商標関連情報

審決

「あそんで・たべよう」(菓子)は子供へのメッセージではない。 

登録異議申立

関連規程 商標法第3条第1項第3号、同第6号

事案の概要
「あそんで」と「食べよう」の文字を二段に書した商標が、「菓子、即席菓子のもと」等を指定商品として登録された。これに対して、異議申立人は、この登録の取消を求めて、次のように主張した。
(主張の概要)
1 「おまけの玩具を付けた菓子」の他、「お菓子で遊んだ後にそのお菓子を食べる」等という商品(「玩具菓子等」)がある。その玩具菓子等の紹介、説明などには、「食べておいしい、遊んで楽しいフーセンガム」、「“ガチャガチャ”すると当社の小粒のキャンディ・・・が出てくる、遊んで楽しい、食べて美味しい『カプセルベンダーマシン』をモチーフにした商品です。」(他10例)の表現が用いられている。
「玩具菓子の玩具であそんで菓子をたべよう」、「菓子で遊んでから菓子を食べよう」というメッセージであると子供たちにも無理なく認識される。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

2「あそんで」、「たべよう」の各語が菓子を作ることを楽しんだ後でその作った菓子を食べるという商品(即席菓子のもと)の用法、用途を表示していることから、商標法第3条第1項第3号の該当する。

3 「あそんで」、「たべよう」の各語は、商品の用法、用途を表示する語として何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであることから、両語を結合した表示を一私人に独占することを認めることは妥当でなく、将来必ず使用がされるものであることから、本件商標は自他商品識別性がない。商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)商  標

あそんで
たべよう (平仮名 二段に表示)

指定商品
第30類 菓子,即席菓子のもと 等

結  論
本件商標の登録を維持する。

理由(要旨)
1 玩具菓子等の紹介、説明では、「遊ぶ」ことや「食べる」ことを表す語が、他の語や記述を伴って用いられるといえるものの、「遊ぶ」ことと「食べる」こととが菓子とどのような関係にあるのかは、商品の特性や特徴等に応じて説明が加えられることによってはじめて、具体的な意味合いを表しているものである。 そうすると、「あそんで」「たべよう」の文字は、これに接する者に「玩具菓子の玩具であそんで菓子をたべよう」、「菓子で遊んでから菓子を食べよう」等のメッセージを表すものと理解されるとはいい難い。
してみれば、本件商標は、その指定商品との関係において、直接的、具体的な意味合いが認められず、商品の宣伝広告を表示するものと認識されるものとはいえない。
また、「あそんでたべよう」、「遊んでたべよう」の文字が商品の宣伝広告を表示するものとして一般に使用されている事実も、取引上普通に使用されている事実も発見できない。
そうすると、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものとはいえない。

2「あそんでたべよう」の文字が、商品のどのような用法、用途を表示すものとすべき事実を見いだすことができない。
そうすると、本件商標は、商品の用途等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえないから、商標法第3条第1項第3号に該当しない。

3 商標法第3条第1項第6号該当性は、登録査定時において、「需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標」と認定できるか否かであるから、将来を含めた認識の可能性を考慮すべきでない。
「あそんでたべよう」の文字について、その指定商品の用途等を表すものとすべき事実を見いだすことができないのであるから、本件商標は、将来必ず使用がされるものとも、一私人に独占を認めるのが妥当でないともいうことができない。申立人の主張は、当たらない。

4 まとめ
本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第6号のいずれにも違反して登録されたものといえない。

平成28.8.26発行「審決」より  2016.9.26. ANDO

 

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