企業の営業企画とともに歩む。

商標関連情報

審決

「元祖 日本維新の会」 名称変更後においても著名な「日本維新の会」と混同する

拒絶査定不服審判

主な関連規程 商標法第4条第1項第6号

事案の概要
「元祖 日本維新の会」を商標登録出願したところ、審査では、「日本維新の会」は「維新の党」へ党名を変更するまで存続していた標章であり、今なお一般に広く知られている」旨の理由で、商標法第4条第1項第6号に該当するものとして、拒絶査定された。
登録出願人は、この拒絶査定に対して不服審判を提起して、次のように主張(要旨)した。
「『日本維新の会』なる名称は、使用されないため既に著名性を失い、かつ、公益に関する団体でないし、営利を目的としないものを表示する商標ではない。したがって、商標法第4条第1項第6号には該当しない。」

商  標
JP4_2012085150_000001
指定役務
第41類 技芸、スポーツ又は知識の教授 等

結  論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第6号は、「公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものと同一又は類似」する商標は、登録を受けることができない、と規定している。
(2)ア 「日本維新の会」の文字については、大阪府大阪市中央区島之内1-17-16に事務所を置き国会議員62人(衆議院53人、参議院9人)が所属する政党の名称であった。
そして政党「日本維新の会」は平成26年9月21日に名称変更して、「維新の党」となった。平成27年11月に、同党から離党した議員が「おおさか維新の会」を結成し、政党となった。同28年3月27日に、「維新の党」は「民主党」と合併し、「民進党」となっている。
イ 「日本維新の会」は、政治資金規正法による規制を受けているところから、営利を目的としないものといえ、かつ、同法における政治団体及び政党助成法における政党に該当するから、公益に関する団体といえる。
「日本維新の会」は、平成24年の衆議院議員総選挙及び平成25年の参議院議員通常選挙において、野党の中でも上位の票数を得ており、平成26年1月1日時点において、53名の衆議院議員及び9名の参議院議員が同党に所属していることに鑑みると、「日本維新の会」の標章は、著名なものと認められる。
してみれば、「日本維新の会」の標章は、公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものといえる。
(3)拒絶査定時である平成27年8月6日の時点において、「日本維新の会」は名称変更して「維新の党」になっていたが、現在、存在する政党の「おおさか維新の党」とその母体となった「日本維新の会」との関係を考えるならば、「日本維新の会」の標章は、その政党の名称変更後においても、当面は、その出所の混同を防止するために、同一又は類似の商標の登録を妨げる事由となるべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第6号に該当する。

(注:当審決は、平成28年6月1日になされたものであり、その後(平成28年8月23日})、「おおさか維新の会」から「日本維新の会」に党名変更された。)

平成28.9.30発行「審決」より  2016.11.7 ANDO

あらゆるタイプの「商標登録」についてお気軽にご相談ください。

先頭に戻る
先頭に戻る