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商標関連情報

審決

「MONSTER」(飲料) 「ICE MONSTER」は相紛れるおそれはない

登録異議申立

主な関連規程 商標法第4条第1項第15号

事案の概要
氷、アイスクリーム等の商品及びバー、喫茶店等における飲食物の提供の役務を指定して、「ICE(黒塗りの矩形に白抜き)・MONSTER・擬人化した直方体の図」なる商標(下記)が商標登録された。この登録に対して、エネルギー補給飲料を、「M図形/MONSTER/ENERGY」なる商標(下記)でアメリカ合衆国で販売し、かつ、日本の企業に使用許諾をしている企業が、次のように主張して、異議を申し立てた。
(異議申し立ての主張の要旨)
申立人商品、並びにアパレル製品、アクセサリー類、その他の関連グッズには、モンスターの爪痕を象った「M」の文字のロゴマーク、並びに「MONSTER ENRGY」のロゴマークが使用されている他、「MONSTER」と他の語や文字(「KHAOS」「JAVA」「Rehab」等)を結合した様々な結合商標が使用されており、これら全体で「MONSTER」ファミリー商標を形成している。
申立人のファミリー商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、米国をはじめとする外国に止まらず、日本国内の需要者の間でも広く認識されている。
本件商標が指定商品に使用された場合、「MONSTER」ファミリー商標を想起連想することにより本件商標を「MONSTER」ファミリー商標の一つであると誤信し、出所について混同を生じるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の該当する。

本件商標

JPJ7427900096_000001

指定商品
第30類 天然又は人口の氷、アイスクリーム、飲食物冷却用氷、シャーベット 等

引用商標(使用商標)
 JPJ7427900096_000002

 使用商品
  エナジードリンク(エネルギー補給飲料)

 

結  論 本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものでないから、その登録を維持すべきである。

理由(要旨)
(引用商標(使用商標)の周知性について)
本件商標のの登録出願時及び登録査定時には、使用商標が、申立人の業務に係る商品「エナジードリンク」(エネルギー補給飲料)を表示する商標として、米国における取引者、需要者の間に広く認識されていたといえるとしても、我が国においては、市場参入から本件商標の出願日までは日が浅く、また、宣伝広告も限られた範囲のものである。さらに販売個数、販売シェアについて確認できない。
さらに、使用商標は、「M」図形と「MONSTER ENERGY」の文字を一体的に表した商標、一連の「MONSTER ENERGY」、あるいは、「M」図形として認識されているというべきであり、「MONSTER」の文字のみをもって、申立人の業務に係る商品を表すものとして広く知られていたと認めるに足りる証拠の提出はない。
以上のことから、引用商標及び使用商標は、申立人商品を表す商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとまでいうことはできない。
(本件商標と引用商標(使用商標)との対比)
本件商標の「ICE」と「MONSTER」の文字は、同じ書体、同じ大きさで、まとまりよく一体的に表示されているばかりでなく、「アイスモンスター」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。しかも、「氷の怪物」という一連の観念のみを生じるものというべきであって、殊更に「MONSTER」の文字部分を分離抽出して観察すべき格別の理由はない。
使用商標は、引用商標と色彩を除けば実質的に同一であり、「モンスターエナジー」及び「モンスター」の称呼が生じ、「怪物のエネルギー」及び「怪物」の観念が生じる。
そうすると、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの面においても類似するものとはいえず、非類似の商標というべきである。
引用商標(使用商標)は、我が国の取引者及び需要者の間に広く認識されていたとはいえないものであり、また、本件商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反該当しない。
その登録を維持すべきである。

注:商標法第4条第1項第7号の主張に関しては、省略

平成29.1.27発行「審決」 2017.3.17 ANDO

 

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