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商標関連情報

審決

電気・電子バイオリンの形状 立体商標登録される

 

事件の表示 不服2016-1859
確 定 日 2017・1・13

主な関連規程 商標法第3条第1項第3号、同第2項

事案の概要
電気・電子バイオリンの形状(下記)を立体商標として登録出願したところ、審査では、次の理由で拒絶査定された。
(拒絶理由の要点)
インターネット情報によれば、美観や軽量化を図るため等により、ボデイ部分を左右対称とせず、一部分を凹ませたり、一部分に空洞を設ける等、各種の「(電気・電子)バイオリン」が取り扱われている実情が認められる。そうすれば、本件商標は、商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域をでないとみるのが相当である。したがって、本件商標は、商標法
第3条第1項第3号に該当する。また、提出された証拠からは、取引者・需要者等が、本願商標の立体形状のみをもって、自他商品識別標識としての機能を有するに至っているとはいえない。よって、商標法第3条第2項には該当しない。
出願人は、この拒絶査定に対して、審判を請求し、各種証拠に基づいて、登録されるべきものと主張した。

本件商標(立体商標)

JPJ1428001859_000001

JPJ1428001859_000002

JPJ1428001859_000003

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JPJ1428001859_000005JPJ1428001859_000007

指定商品
電気バイオリン,電子バイオリン

結  論
原査定を取り消す。本件商標は登録すべきものとする

理由(要旨)
(1)本件商標の立体的形状と一般的なバイオリンの形状とを比較すると、本件商標の形状は、先端から、スクロール、糸巻き、指板、弦、あご当ての部分と看取されるものであり、それらの配置は、一般的なバイオリンと同一であり、さらに右側のフレームの曲線がバイオリンの胴部の輪郭と同様である。そうすれば、本件商標に接する取引者・需要者は、バイオリンの形状を表したものと認識するものであって、胴部部分に配置された右側のみのフレームは、商品の美観をより優れたものとするために採用されたものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、これに接する取引者・需要者が、商品の美観を際立たせるために選択されたものと理解するにとどまるというのが相当であるから、自他商品識別標識としての機能を果たし得るとは認めがたい。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)使用商品は、本件商標と同一の形状からなるところ、1997年の発売以降、継続して楽器専門雑誌、ウェブサイト及びカタログ、全国紙、一般雑誌等に本件商標と同視し得る電気(電子)バイオリンの形状が特徴を有するものとして掲載されたこと、各種のデザイン賞を受賞していること、教科書等にデザインの代表例として掲載されたこと、業界において定評を得ている商品であることが認められるものであり、現在に至るまで継続的に販売され、その売り上げは、同種商品において極めて高いものと認められる。
その結果、本件商標は、「電気(電子)バイオリン」について、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるものとなったものと判断する。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるが、同法第3条第2項により、商標登録を受けることができる。

平成29.2.24発行「審決」より  2017.5.1 ANDO

 

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