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商標関連情報

審決

三つ葉ロゴ(adidasスポーツ用品) 構成全体をもって著名 対2つの山形図形

種   別  異議の決定
異議申立番号 異議2017-900038
確 定 日  平成29年12月26日
主な関連規程 商標法第4条第1項第7号、同項第15号

本件商標

JPJ7429900038_000001

指定商品
第25類 「ジャケット、半そでのワイシャツ類及びアンダーシャツ、被服、靴及び運動用特殊靴、水泳着、帽子、靴下」 等

引用商標1

JPJ7429900038_000002

指定商品
第25類 「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」 等

引用商標3

JPJ7429900038_000004

指定商品
第25類 「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」 等
第28類 「運動用具」 等

引用商標2、4 省略

結  論
本件商標の商標登録を維持する。

理  由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第15号について
ア 三つ葉ロゴ(引用商標)の著名性について
申立人は、1920年(大正9年)にトレーニングシューズの製造、販売を行う会社として創業し、1948年(昭和23年)に「adidas」を商標登録、翌年にスポーツシューズの左右側面に3本線の商標を使用することを開始し、1967年(昭和42年)には、3本線の商標を表示した陸上競技用ウエアの製造販売を開始した。三つ葉ロゴ(引用商標)は、1972年(昭和47年)から1995年(平成7年)まで申立人の正式ロゴとして使用され、三つ葉ロゴを使用したスポーツシューズ、スポーツウエアは、サッカーワールドカップやオリンピック等、世界的に著名なスポーツ競技大会において、それに出場する選手に使用され続けてきたこと、三つ葉ロゴは、現在は、申立人のストリートスポーツウエアブランド「アディダスオリジナルス」のロゴとして使用されていること、また、三つ葉ロゴを使用したスポーツシューズ等のスポーツ関連用品について、1980年(昭和55年)頃から、「サッカーマガジン」等のスポーツ専門雑誌に広告をした。
イ 本件商標と三つ葉ロゴとの類似性
(ア)本件商標
本件商標は、その構成中「XIAT」の文字部分は、我が国においては、馴染みがなく、その語義を理解することは困難であるばかりでなく、直ちに特定の称呼が生じるとはいえない。また、本件商標は、全体として抽象的図形を表したと理解されるから、直ちに、特定の称呼及び観念が生じるものではない。してみると、本件図形は、観念上密接な関係を有するものとして把握・認識されるものではない。
したがって、本件商標中の図形は、独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮する。
(イ)三つ葉ロゴ(引用商標)
三つ葉ロゴ商標は、その構成全体をもって、「スポーツシューズ、スポーツウエア、スポーツ用品」を表示するものとして、広く認識されていた。
したがって、三つ葉ロゴは、申立人の業務にかかる商品を表示するものとしての観念を直ちに生じさせる。
(ウ)本件図形と三つ葉ロゴとの対比
a 外観について
本件図形は、形の異なる2つの山形図形であり、引用商標は、縦に並べた同一の大きさの3枚の葉様図形である点において明確に異なるばかりか、平行線においても、前者が黒塗りの2本線であるのに対し、後者が、白抜きの3本線である点及び配された位置において相違するものであるから、両者を時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上相紛れるおそれはない。
申立人は、本件商標は、三つ葉ロゴの構成の一部を切り取って構成される図形と略同一ものであると主張する。しかし、三つ葉ロゴは、構成全体をもって、申立人の業務に係る商品を表示するものとして著名性を獲得しているものであるから、その一部のみが独立して認識されるものとはいえず、本願商標に接する取引者、需要者が、三つ葉ロゴの一部を切り取ったものと認識するとは考え難い。
b 称呼及び観念
本件商標は、構成全体として特定の称呼、観念が生ずるものではないから、三つ葉ロゴとは、比較できない。
c 以上によれば、本件商標は、三つ葉ロゴとは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても互いに紛れるおそれのない非類似の商標と認める。
ウ 出所混同のおそれ
本件商標と三つ葉ロゴとは、別異の商標というべきであるから、本件商標の指定商品と三つ葉ロゴが使用される商品とが関連性が高く、また、需要者を共通にする場合があることを考慮しても、本件商標に接する需要者が、三つ葉ロゴを想起又は連想することはない。
エ 申立人は、本件商標権者は、三つ葉ロゴ及び3本線商標を模した商標も登録出願中であり、また、他人の周知著名商標を構成文字とする商標を無断で登録出願した事実が過去にあり、さらに、1年6月の短期間に253件以上の膨大な件数の登録出願を行った事実があるから、本件商標は、不正の目的をもって採択、使用するものである旨主張する。
しかし、本件商標は、三つ葉ロゴ商標とは、非類似の商標というべきであるから、上記事実をもって、本願商標が、三つ葉ロゴにフリーライドするなど不正の目的をもって採択、使用するものと直ちに認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は、不正の目的をもって使用する商標であるとは認めることはできず、また、商取引の国際的秩序を阻害し、商道徳・国際信義に反するものともいえない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

平成30年3月30日発行「審決」より 2018.5.18 ANDO

 

 

 

 

   

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