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商標関連情報

審決

「STANDARD」(無線機) 「STANDARD/Lecuo」は類似

審判番号 無効2016-890044
確  定 日 平成29年(2017)5月10日

主な関連規程 商標法第4条第1項第10号

事案の概要
「STANDARD」の文字とデザイン化した「Lecuo」の文字とを2段書きにしてなる商標(下記)が、無線通信機械器具等を指定して、商標登録された。
これに対して、「STANDARD」及び「スタンダード」なる商標を、自ら製造・販売する業務用無線通信機器等に継続して使用してきた者が、登録の無効を求めて審判を請求した。

本件商標

JPJ3428890044_000001

指定商品
第9類 無線通信機械器具,ナビゲーション装置,携帯電話機,テレビ,ラジオ受信機,ビデオカメラ 等

引用使用商標1

STANDARD

引用使用商標2

スタンダード

使用に係る商品
業務用無線通信機器 

結  論
本件商標の指定商品中、上記の指定商品について本件商標の登録を取り消す。

理  由(要旨)
1 引用使用商標の周知性について
ア 請求人は、昭和31年に設立され、その後、平成24年に名称変更により、現在八重洲無線株式会社となっている。
イ 引用使用商標は、社団法人全国陸上無線協会発行機関紙「RMK会報」、警備保障タイムス株式会社発行「警備保障タイムズ」、株式会社電波新聞社発行「日刊電波新聞」等に広告として表示してきた。これにより、請求人は、業務用無線通信機器等について引用使用商標1を付して長年にわたり製造販売を継続しているものであって、それら製品を取り扱う販売店も全国に及んでおり、また、その広告宣伝も長年にわたり相当程度定期的に行われている。これらを考慮すれば、引用使用商標は、請求人が取り扱う商品「業務用無線通信機器等」を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
2 本件商標と引用使用商標との類否
ア 請求人の使用する「STANDARD」及び「スタンダード」の語は、本来、「基準、標準」などの意味を表す語であって、使用する商品によって自他商品の識別標識としての機能がない又は低いとされるものであるが、請求人等が「業務用通信機械器具等」に使用して強い自他商品識別力を発揮してきたものであるから、引用使用商標のいずれも「スタンダード」の称呼を生じ、「請求人ブランドである『スタンダード』」の観念を生じる。
イ 他方、本件商標は、その「Lecuo」の5文字は、全体として特徴を有するデザイン化されたものであるのに対し、「STANDARD」の文字は、引用使用商標の一つである「STANDARD」と同一のつづりからなるものであって、上段の文字及び下段の文字から一体的な意味合いが生じるものともいえない。
そうすると、本件商標は、「STANDARD」と「Lecuo」とが外観、観念における一体性が薄いことに、引用使用商標の使用商品の取扱に係る同一又は類似の商品の分野において、引用使用商標が周知性を得ていることを考慮すれば、その構成中の「STANDARD」の欧文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える。
してみれば、本件商標は、「STANDARD」の文字に相応して、「スタンダード」の称呼が生じるといえる。また、請求人のブランドである『スタンダード』の観念を生じる。
ウ 本件商標と引用使用商標とは、「STANDARD」の文字を共通にしているから外観上紛らわしい。また、称呼を共通にする。また、本件商標と引用使用商標とは、「請求人のブランドである『スタンダード』」観念を生じる。
そうすると、本件商標と引用使用商標とは、外観、称呼、観念のいずれにおいても相紛らわしい類似の商標である。
3 まとめ
本件商標の登録は、その指定商品中、上記の指定商品掲記の商品について商標法第4条第1項第10号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とされるべきものである。

平成29.7.28発行「審決」より  2017.9.15 ANDO

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